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海の瞑想

(考える介護へ)

昨年の介護福祉士試験の事例問題、野球部監督も務めた体育の高校教師、認知症、要介護2。ある時、テレビで高校野球を見ていて急に「行かなければ」と動き始めた。設問はこの時の心の動きを問うもので、正解は「野球中継に刺激された」でした。私は?と思います。普通、テレビを楽しむ力がある方は「昔は監督やっていた」と話題にするものです。このような動きをする方は、放送内容との因果関係は薄く、その場で何らかの刺激を受けたからで、状況を冷静に分析することが大切なはずです。介護福祉士の倫理要綱にも「一面的に見てはいけない」とあります。勝手な思い込みでは興奮を高めます。(4/1)

 

(会話が生きている)

午後3時30分、ドリップで落す珈琲時間に間に合い私も参加。男性利用者から「白樺(府中市デイ名称)の由来は」と聞かれた。実はと「八ヶ岳から小木を失敬してきたのが育った」と30年前の話をする。職員から今回伐採した理由を問われる「白樺は根が浅く倒木の危険があった」と私。向いの男性利用者から「郷里の福島では白樺は無いな」と話が飛ぶ、最初の男性「家の庭はアジサイがある。玄関の鉢植えは家内の管理」と。職員から「お宅は玄関に大きな水槽もありますが」と聞かれ「メダカを飼っている。これは私の担当」との応え。間を置き隣の女性利用者から「私は百合が好きだわ」と続く。ニコニコ聞き耳を立てている女性がいる。むろん話が途切れることも多い、がみんなの穏やかなつながりは感じる。淡い曲が流れ珈琲の香りも漂っている。(3/9)

(幅広く人を使う)

以前、私はケアマネから面接を託された方がいました。80代のご婦人です。自宅に長くこもり、同居家族との口論が絶えません。本人の言い分は、外には出ているし文句を言われる筋合いはない、家族が出て行けば良いと引きません。私は聞きながら最後に「実はね、高齢者には介護保険を使って自立支援に努める義務(第4条)があるんですよ」と話ました。すると「へえー、義務なのそうであれば仕方ないね」とあっさり通所をOKされたのです。この方はその後8年通所され、最後は病気で亡くなられました。介護保険は色々な人を上手く使って本人、ご家族の利益につなげることも大切です。(2.21)

(秘訣)

90歳を超すご夫婦は、よく二人生活が成立すると思う程ちぐはぐ感がおありで、週4日喜望峰に通所され体操、合唱、雑談を楽しんでいます。ある時ご主人「寒いと女房の布団に潜り込むんだ」と何とは無く話された。少しのてらいも無くです。長い旅路の末の淡々とした境地。お二人共血色がおよろしく、斯くありたいと思ったものです。(R2.2.15)

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